lake side story

冬の幻さ

Earth vs the spider (1958)

米アマプラで視聴

Filmarksで見つけられなかったのでこっちにメモ

 

いなくなったお父さんを探しに洞窟に来たらそこにはでかいクモが、という話。半信半疑の保安官と再捜査とか、怪獣映画としてかなりベタな展開。

 

蜘蛛の糸は萎びたゴボウかロープみたい。蜘蛛の巣がアスレチックにしか見えないのが味わい深い。

フラグになってる冒頭の授業のシーンとかクモの特性の説明とか、科学面の理屈っぽさが強めなのが欧米っぽい。あと結構しっかり流血する。日本の怪獣ものって人は死ぬけど血は少ないよね。

映画館のシーンで監督の他作品バンバン宣伝してたの良かった。

クモはリアルタランチュラを使うタイプの特撮。倒し方はハラハラしないけど結構ワクワクする。

クモも悪くないけど洞窟のセットが面白かった。絵と実物模型を組み合わせた好きなやつだった。

ファイヤーマン (1973)

ファイヤーマンを配信で一気にみた。主題歌(阿久悠作詞!)がかなりいけてる。

みて良かったなと思った点は大きく2つ。

 

ひとつは、岸田森演じる水島博士がとんでもなくかわいい。衣装のせいもあるかと思いきや、初登場の私服の時点で既に凄まじくかわいかった。ちょくちょくおとぼけシーン入るのほんとずるい。かわいすぎる。こんなに柔和で根っからの善人演じてるのこの作品くらいでは。

ポジション的にはほぼ牧さん(怪奇大作戦)だし、牧さんとかぶる瞬間もあるんだけど、基本的な表情や立ち居振る舞いが結構違う。声の出し方は辰巳さん(傷だらけの天使)がえらい人やきれいな女性に対してのみ発する声に似てるけど、辰巳さんみたいなうさんくささは全然ないのがすごい。津山博士(シルバー仮面)が牧さんと水島さんの中間くらいかな。とにかく演技のうまさを存分に楽しめる。

他の人たちは演技が微妙なことも多くてそんなに惹かれなかったけど、岸田森があまりにかわいかったので全話苦労せず見られた。

 

もうひとつは「夜になくハーモニカ」をみられたこと。特撮好きなくせに基本的に怪獣ものって大してときめかないんだが、ハモニガンにはもう完全に心奪われてしまった。こんな好きになる怪獣(怪獣なのか?)今後現れないだろうな。フィギュア欲しいな、と思ったけどハーモニカ買えばいいのか。

前半の登場シーンは火を吹くモノリスみたいでかっこいいし、攻撃パターンや動きや光り方も最高。弾んで着地した時の音よ!倒し方も全然予想つかないし目が離せなかった。特殊効果も終始独特で良いんだよね。暗闇の中戦うのも、夢の島に舞う紙吹雪もありそうでない新鮮な演出。

この話の脚本家と監督が作る特撮を絶対に全てみてやる、と思って確認したら普段特撮に関わってないらしい人達だった。しかも脚本は超珍しく女性の方。もっと作って欲しかった!

 

好きな脚本はダントツで24話「夜になくハーモニカ」というかこれはもうファイヤーマン内というより怪獣ドラマのエピソードで個人的ベスト。

ベタだけど岸田森脚本の12話「地球はロボットの墓場」も面白かった。バラの演出とか、ああいう舞台ありそう。敵の口調と高笑いも独特すぎて笑った。1933年版透明人間といい、やたら楽しそうな悪役が好きなのかもしれない。

14話「悪魔の海を突っ走れ!」は岸田森喝采を歌った時点で100点。水を使った映像、日本特撮の花形だと思ってるので、海と潜水艦がメインの舞台なのも嬉しい。この時登場する小鳥、シルエットはインコ系なのに声が文鳥っぽいのが気になった。

 

やたら褒めたけど(岸田森とハモニガンを)、一方であんまり人気なかったのも、まあ分かる。

そもそもファイヤーマンのデザインが微妙。肋骨みたいな線は弱そうに見えるし、顔もパチモン臭するし。ウルトラマンのデザインって洗練されてるんだなあと思った。

ネーミングも設定もちらかりまくっている。出てくる人たちは水関連の名前で水中シーンも多いのにファイヤーマンはファイヤーっ!と叫んで火の中から登場するし、その正体は地底人だし。飛行機がマリンゴンで潜水艦がシーマリン号、ややこしくて名前出てくると毎度笑ってた。

最終回は投げやりすぎ、大量の岬さんの顔が曼荼羅みたいになって回り出すと思わなかった。

 

そういえば、他の同世代ウルトラマン系列に比べると人間がちゃんと事件の解決に寄与してる感が強いのは結構印象的だった。巨人ヒーローものの防衛軍の人たち、必死に何かしてるようで大して何の役にも立ってないパターンが多いから…。

銃撃がちゃんと怪獣にダメージ与えてたし、ファイヤーマンがカバーできない周辺問題を科学力でちょくちょく解決してたのが好感度高い。でも、せっかくメンバーほぼ博士の設定なのに博士らしいの水島さんだけだったな。

 

タイム・マシン/80万年後の世界へ (1960)

The time machine (1960)

 

明らかに怪奇大作戦が影響を受けているのが分かり、それだけで観た甲斐があった。冒頭の時計がたくさん出てくるシーンも、時計の音が響く主人公の部屋のシーンも、「恐怖の電話」の小川時計店に思いを馳せながらみた。

BGMの雰囲気もこれを元ネタにしてるように感じた。主人公が部屋で1人でいる時の音楽が特にそうで、「かまいたち」なんかでよくつかわれてるホヨンホヨンしたやつに似てる。

建物とかマグマとか、ミニチュア特撮も良かった。前半の主人公の家の周りで話が展開していく演出が面白い。マネキンは耐久性高すぎだけども。

 

後半の展開は抜けてるという意味での味わい深さはあるけど、ずっと微妙だったなあ。イーロイが白人ブロンドばっかなのはまあ目を瞑るにしても、なんで支配する側の地底人の方が上半身裸に腰蓑で未開拓な雰囲気なんだ(憎めないが)。

あとウィーナは時代的にしょうがないにしても、他の同時代の特撮の女性キャラと比べても特に意思が弱くて主人公に都合の良い雰囲気なのがキツかった。男性のサブキャラでもたまにいるけど、主人公の引き立て役要素が強すぎるキャラクターってみてて苦しくなってしまう。主人公くらいマイペースに楽しく生きてくれ〜。